2017年03月30日

人生を見回す余裕のできた高齢者の最後の意思表示

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寿命が伸びて男女とも80歳を超えているので、現役を引退した後で長い人生が待っています。ところが、ネット社会となり毎日、世界中のあらゆるジャンルの情報が去来するので、現役の人達は必要な情報を集めて行動する目まぐるしい時代を生きています。

余りのせわしなさのために自分や家族の現状を落ち着いて見回し、将来のことをしっかり話し合う余裕さえなくなっている間に身の回りの人達との関係に疎遠さを感じられる時代となっているようです。現役を引退して自分のことを見回す時間のできた高齢者は子や孫あるいは近親者と話し合いたくても同居している子や孫でさえもすれ違いの生活で終始している始末です。

そこで、最近、自分の想いや伝えるべき事項を取りまとめて意思表示しておこうと考えて終活宣言が流行りです。財産処理に係る事項にもましてこれまでの人生を振り返って家族一人ずつへの想いや自分に万一のことが起こった時に希望する対処法あるいは、身の回り品の処分法を記載しておこうとするわけです。本来、こうした内容は近親者を揃えてゆっくりと伝えたいと思っている内容ですが、現役で動きまっている子や孫達を全員集めることが容易でないため、自分の希望をエンディングノートに書き記して就活宣言とするようです。しかしながら、エンディングノート作成が流行りだとしても財産関係事項は全体をまとめたものが出来上がったら近親者を一堂に集めて、各人に自分の希望を意思表示しておいた方が子や孫のもめが生じないで済むはずだと考えるわけです。もちろん、親子関係が単純な関係でなかったり、簡単に済む内容になっていないのなら、いくら就活宣言が流行っているからといっても大切な部分を遺言書にしておいた方が良いことは当然です。